「目的は脅迫か…」
小さな声でヴェスタが呟いた。彼の言葉にシェスタは頷いた。
「…隠れられると思うな、そこにいるのは誰だ」
氷の鎖が何者かを捕らえた。その人物が放った炎すら凍る。
部屋の中は少し寒い。
氷の鎖は圧倒間にオブジェに変わり氷漬けにした。
「モンスター?」
「下級だが術で強くされていた」
粉々に砕け散った氷は部屋の明かりに照らされキラキラと輝きを
放つ。
「…これらは、お前らには出て貰わないと困るな」
「よぉし、二人の魔剣に関しては父さんに任せなさい!!」
何時にも増して逞しいレイチェルの父アイザックは胸を張る。
すぐにでも出かけようとした彼をシェスタが引き留めた。
誰かに連絡を取っているようだ。
「俺が剣の材料を取りに行く。数人の仲間たちにも声を掛けた」
「だけど、材料なんてすぐに見つかるの?危険だよ…」
レイチェルがしょんぼりとしている。そんな彼女を見かねたシェスタは
左手の小指を立てた。
「どんな剣にも負けないぐらいの剣を作る材料は必ず見つける。
約束だ」
レイチェルと約束を交わしシェスタは出かけてしまった。
「…ねぇ、二人で出かけない?」
そう言い出したのはレイチェルだった。