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No.3997の一覧
[0] 【ネタ】冒険の書【半オリジナル/ドラクエ世界観】[あるふぁ](2010/05/24 11:23)
[1] 一頁目 「旅立ち」[あるふぁ](2010/05/28 18:36)
[2] 二頁目 「盗賊団」[あるふぁ](2010/05/28 18:42)
[3] 三頁目 「最初の壁」[あるふぁ](2010/07/16 03:13)
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[3997] 二頁目 「盗賊団」
Name: あるふぁ◆57098d03 ID:ad17056c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/05/28 18:42
勇者になってから10日ほど。
あれから2レベルくらい上がって、スライムが一撃で倒せるようになった。
そうなるとスライムの群れに囲まれてもピンチに陥る事はないし、ドラキーとか別のモンスターが出てきても対処できるようになってきた。
1日目はあれだけセーブとロードを繰り返したけど、それ以来はロードしなくて済んでいる。
セーブは一応毎日寝る前にしているけどね。
こうなるとセーブもただの日記みたいなもんだ。

そんなある日。
俺は王様に呼び出された。

「どうだ、もうそろそろ戦闘には慣れてきたか?」
「はい、この周辺のモンスターに遅れをとる事はありません」
「ではそろそろ旅立つ頃合いだろう。この国は幸い、魔王軍の攻勢は甘いが、魔王城のある東の地へ近い国ほど、甚大な被害が出ている。皆勇者の存在を待っている事だろう。東の国への行程で腕を上げながら魔王城へと向かうが良い。」
「わかりました」
「旅立つにつれ、信頼のおける仲間も出来てくるだろう。…あと、これが私の最後の助力じゃ。…ポーン、前に」

すると一人の兵士が出てくる。
あ、この前一緒にスライム退治してくれた衛兵さんじゃないか。

「信頼できる者に、お主の度に同行させようと思っていたのだが、この者が立候補してな。若いが、親衛隊の者で信頼がおける。この者を魔王討伐の旅に連れて行くが良い。」
「勇者様、ポーンと申します。よろしくお願いします。」
「いえ、こちらこそ!」

年長者に敬語を使われるのには慣れないなぁ。
でも、勇者が頼りないと思われるのも問題だし、これから慣れていかないと。

「それでは勇者アルスよ、この世界を頼んだぞ」
「…御意」












ーー冒険の書ーー
   二頁目
  「盗賊団」
ーーーーーーーー












そして俺は、生まれ育ったこの国から旅立つ事になった。
親父は無言で俺の肩を叩き、お袋は泣きながら俺を抱きしめた。
いつでも帰って来て良い、その言葉に涙しそうになったけど。
俺は笑って両親と別れた。

まだ二人パーティーでそう荷物はないし、隣の国は陸続きなので徒歩で旅立つ。
何度かの戦闘や野宿をこなしていくうちに、ポーンさんとも親交が深まる。
前に助けてもらった時もそう思ったけど、この人めっちゃ良い人だなぁ。
頼りになるお兄さん、といったところか。
戦闘に関してもまだ俺より全然強い。
街を離れて森に入ると、これまでより強いモンスターも出てきたけど、ポーンさんは余裕をもって対処してくれる。
俺に剣の手ほどきもしてくれ、師匠と呼びたくなるほどだ。

そして旅立って一週間後。
俺たちは隣の国の都に到着した。
まずは王様に面会して、しばらくはこの国に滞在する事を告げる。
冒険の書を見せるとすぐに勇者と認め、宴まで開いて歓迎してくれた。
夜通し美味い酒と飯を振る舞ってもらい、これも勇者の役得かと思っていたが、やはりただより高いものはない。

大臣に、一つの頼まれ事を受けたのだった。
それは盗賊団の退治。
最近のこの国の脅威は、モンスターよりも同じ人間、盗賊達であるという事だ。
盗賊団のアジトは南の洞窟にあると判明している。
だが、その洞窟の構造が問題で、坑道が狭く軍隊を派遣する事ができないということだった。
洞窟の入り口を包囲したところでいくつも抜け道があるらしく、夜襲を受けたり包囲しながら他の街を襲われたりしているのだという。
そのため、少数精鋭でパーティーを組んで討伐しようとしたところで、俺たちが来た。
実に都合が良いタイミングだと思われたのだろう。
宴の恩もあるため断りにくい。
そもそも勇者がこういった頼みを断ると印象が悪い。
俺はまだまだ弱いし、色んな人の協力が必要になるだろうから、評判を落とすのはまずい。
ポーンさんとも相談して、俺たちは盗賊討伐を引き受ける事にした。

もちろん、二人だけでは流石に難しいので、協力者を捜す事にした。
が、どうやらこの国の兵士は質が低いらしい。
まぁ盗賊団を自分たちでどうにもできないのだから予想できてたけど。

その代わりに傭兵業が盛んらしく、そちらの方があてになる。
大臣にも傭兵を雇う事を薦められた。
もちろん雇用資金も国持ち、ということで俺たちは傭兵を捜す事にした。
傭兵の集る酒場を教えてもらい、そこへ向かう。

酒場のマスターに事情を探し、腕利きの傭兵を紹介してもらう。
勇者のパーティーとなれば名が売れる、そうと思っているのか立候補する傭兵はたくさんいた。
その中から俺とポーンさんで面接をしていって、最終的に二人の傭兵を雇うことになった。

一人目は、戦士のソルさん。
筋骨隆々、いかにも頼りになりそうな大男である。
年齢はポーンさんより少し上。
戦士としては最盛期の年齢だ。
気さくな性格もあって、俺とポーンさんの意見が一致して雇う事になった。
「よろしくな、ガハハ」といかにも外見通りの豪快な笑い方で加わってくれた。

そしてもう一人は僧侶のホリーさん。
こちらは近距離戦闘を主体としたこのパーティーには、補助を任せられる僧侶が絶対必要、とポーンさんが薦めてくれた。
歳はかなり年配で、その辺りが俺にはちょっと心配だったが、若い連中ばかりのこのパーティーでは、その経験と知識も大きな力になってくれそうだった。
「ホリーじいさんと呼んでくれ」そう言われたとき、既に祖父母が亡くなっている俺にはなんとなくおじいちゃんが出来たみたいでちょっと嬉しい。

そして4人で打ち合わせをしようと宿に向かう途中に、可愛い女の子に声をかけられた。
「勇者様を捜していた」
「ぜひ私を仲間にして欲しい」
「魔王を倒すためにこれまで修行して来た」
その熱意と、このパーティーにはいない魔法使いだったということもあって採用。
…男所帯で、可愛い女の子の存在が嬉しかった、という理由もあったけど。

結局、勇者の俺、兵士のポーンさん、傭兵戦士のソルさん、僧侶のホリーじいさん、魔法使いのマジック。
この5人で盗賊団のアジトに向かう事になったんだ。




「さて、これから盗賊団のアジトに向かうわけだけど。何か策はある?」

そう俺が言うと、まずはホリーじいさんに皆の視線が集る。

「ふむ。盗賊団のリーダーはシータという元傭兵じゃ。これが中々人望があっての。荒くれ者達をうまくまとめておる。こやつを捕らえられれば後は大した脅威にもなるまい。」
「おう、俺も奴を知っているが、戦士としての力量もかなりのもんだからな。あいつさえなんとかすれば良いだろうな」

ソルさんがそう続ける。
シータ、かぁ。
でもそれならなんでこれまで捕らえられなかったんだろ。

「なかなか表に出てこないって事もあるし、かなり腕が立つからな。国の兵士や普通の傭兵じゃとてもかなわないんだよ」
「そんなに戦士として腕が立つなら、魔法で遠くから攻撃すればいいんじゃない?」

マジックが言う。
それに対し、ホーリーじいさんが首を振る。

「奴らのアジトは洞窟じゃからの。あまり威力のある魔法を使ってしまうと崩落の危険もある。…かといって、弱い威力の魔法では牽制程度にしかならんからのお」
「う〜ん、そうなると難しいわね。」

そこでポーンさんが発言する。

「…となると、結局は接近戦で打倒するしかないと。」
「うむ。…まぁいくら洞窟が狭いと言っても、5人で戦闘するくらいはできるじゃろう。わしとお嬢ちゃんで補助しながら、お主ら3人がかりでシータを倒す、というまぁ普通の作戦じゃな」

これだけ戦い方が限定される場所なら正攻法以外はあるまい、とホーリーじいさんが言う。

「まぁとにかく俺たちで倒せばいいわけだろ?任せとけって!」

自信満々にソルさんが言う。
本当に頼もしい。
…というかここまで俺が一言も発してねぇ、いいのかこれで。

「それでは今日はもう遅いですし、明日の7時にこの宿集合ということで、いかがでしょうか、勇者様」
「う、うん。それでいこう」

その後、解散となり、この街に家のあるソルさんとホーリーじいさんは帰っていった。
マジックは宿屋暮らしということなので、一緒の宿に泊まる事になった。
…もちろん部屋は別だけどさ。

それでも寝る時間までは、ポーンさんと3人で親交を深める。
俺が冒険の書のことをマジックに説明しながら書き込んでいると、「流石は勇者様、凄い力ですね」と言われちょっと嬉しい。
ぶっちゃけこのパーティーの中で一番戦闘力が低いのは俺だからな、やれることはこれくらいだろう。

まぁ、このパーティーならこの記録をロードする事にはならないだろうけど。







…そう気楽に構えていた俺が間違っていたということは、その後数十回にも及ぶロードによって否定される事になるのだけど。






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