夜を焼き切らんばかりの白い閃光が森を昼間へ変えた。
獲物が目を覚まし、夜行性の動物が取り逃がす。森を東へ進んでいたアディヴェムも例外なく空を見上げた。
「何あれ?」
「お星様だ」
耳をつんざかんばかりの協奏曲が後追いでまっすぐ堕天し、嵐のような衝撃が木々を揺らし、噴石のような破片が枝を折った。
「すごいね」
呟いたアディヴェムを白と黒の壁が囲い込み、石や金属を弾き飛ばしていた。
「近いからな」
動物の悲鳴がうるさくなり始めた森で、アポカリプスが言う。
「あっちに進んでみない? きっと見たことのない風景が待っているわ」
「そうなの? じゃあ行ってみよう」
残骸の雨が止むと壁を畳み込むようにして、本のサイズに戻ったクロニクルが促し、アディヴェムは足を向けた。