ラクス・クラインと仲間たちの活躍により、機動要塞メサイアが爆発炎上して落ちていく……。
それは同時にプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルも炎に巻き込まれて亡くなったことを意味していた。
その様子をベッドの上からテレビで見ていた青い髪の少女は手をついて項垂れた。
「…ちょう……」
落ち行く機動要塞の様子を暫し茫然と見つめ、ポロポロと涙を溢れさせる。
「デュランダル議長……」
そして、グッと手を握りしめて絶叫する。
「就職活動いやああぁぁ――――っ!!」
四つん這いになり、両手でベッドを叩く。
「デュランダル議長ゆったじゃない!!
人生糞チョロ……!!
デスティニープランがあれば就職活動しなくていいってゆったじゃない!!」
デスティニープランとは遺伝子を採集解析することで、適正職業が選択されるもの。
その解析結果を各自に伝え、最適職種に振り分けられるというものである。
青い髪の少女はベッドを叩いた窮屈な姿勢のまま弱々しい声を漏らす。
「就職活動したくないよぅぅぅ……デュランダル議長ぉぉぉ……。
私が就職活動する直前にデスティニープランを発表したデュランダル議長ぉぉぉ……。
・
・
ううう……」
…
数ヶ月後――。
ニュースでラクス・クラインが襲われたというニュースが流れた。
襲ったのは青い髪の少女で……
「貴方がたが機動要塞メサイアを!
デュランダル議長ごと爆破してくれたおかげさまで!
自分の意志で就職先を見つけなくてはいけなくなりました!
私 やったあああ!」
などという妙な言葉を口走っていたとのことだった。
デスティニープランは強制であり、職業選択において自由意志は存在しない。
しかし、青い髪の少女――ニートにとっては救いだった。