「で?話をまとめるとアンタは化け物やエルフも裸足で逃げ出すようなめちゃくちゃな敵をも超える宇宙最強の化け物っていうことを言いたいの?なんでも願いの叶う何とかボール?なに?アンタ私をバカにしてるの?」
「別にバカにしてねーぞ。オラ本当のことしか言ってねーよ。っていうか化け物じゃなえぞ?ただ尻尾が生えてるだけでちゃんとした人間だ。それとエルフってなんだ?それ、美味しいのか?」
私ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァりエールは激しくイライラしている
え?口調が変わってるって?気にしないでほしいわ。それほど目の前の現実に打ちのめされてるってことだから。
だって何がこんなにイライラしてるかってのはこの使い魔が原因なのよ。星一つ無くなってしまえー!だとか、神様の上にいる存在~だとか・・・
私だって人を見る目ぐらいあると思うわよ。それこそヴァリエールけの三女として恥ずかしくないぐらいには。でもだからって私の中にある常識を捨てられるわけないじゃない。
この使い魔が言っていることはスケールが大きいことだけど筋が通っているからなおのことたちの悪いわよ!
「なあ 大丈夫か?ルイズ」
「アンタはちょっと黙ってて!今頭の中整理つけてるから~!!」
しばらくお待ちください
「落ち着いたか?」
使い魔が少し心配そうに私の顔を覗き込んできた。
「ええ。もう大丈夫だから」
「そっか。なぁ、そういえばさっきからオラのことばかり話しているような気がするんだけど・・・オラもそろそろオメーの話聞いていいか?」
「はぁ・・・それもそうね。で?アンタは何を聞きたいわけ?」
「まずここはどこなんだ?感じたことがないような力を感じるからここが地球じゃないことは分かるんだけどよ」
「アンタバカ?ここはトリステイン魔法学園よ。結構有名なところだと思うんだけど?」
「トリとステーキ?そんな美味しそうなところなのか?ここ」
「違うわよ!ト・リ・ス・テ・イ・ン・魔法学園よ!!美味しそうでもステーキでもないわ!!」
「わ・・・わりぃ。そんなつもりじゃなかったんだがよ」
まったくもう。何なのよコイツ。あ~もう説明をさっさと終わらせて早く寝ましょう。あ、その前に使い魔のことについて話さないと。
「まぁ・・・それはそうとアンタはいやだろうけど私がアンタを召還したんだからアンタは私の言うことを聞くしかないのよ。それにアンタ使い魔の仕事何するのか知ってる?」
「いやぁ、正直ワカンネ~ヤ。何すればいいんだ?」
・・・まったく何よ。アンタ召喚されてからずーとニコニコしてるじゃない。私よりガキンチョのくせしてまるで子供を見るような眼で見てるんじゃないわよと心の中で怒鳴ってしまったけど、でもなんか嫌な感じがしないのはどうしてだろ?
まあいいや。そのことは後で聞こう。それより早く話を終わらせないと。あれ?さっきも同じようなこと考えてなかったっけ?まあいいわ。
「使い魔はまずまず主人の目となり耳となる能力が与えられるわ」
「で?実際に見えるんか?」
「ダメみたいね・・・もしかして人間だからかしら。まぁ良いわ。ほかに主人の求めるものを探し、それを主人の元に届けるのよ。でもあんたじゃだめね。どう見たって平民のあんたがそんなことできると思えないもん」
「そっかぁ。おら難しい事分かんねーからなー」
そういいながら使い魔は少し困ったような顔をする。別に私は魔法を使える訳じゃないから別にかまわないからいいけど・・・
「まあ、それはいいとしてこれが一番大事なんだけど使い魔は召喚した御主人様のことを守るって役目があるのよ。アンタならできるわよね?なんせエルフより強いんでしょうから」
「あぁ!それだったら問題ねえ!それによ、ここには強え奴イッペェいるんだろ?オラわくわくするぞ!!」
「ハイハイ何かわかんないけど今までで一番いい笑顔を見せないの。目なんかキラキラしてるし。正直呆れしかないわよ。けどここにいる限りじゃ私の命が狙われるなんてことないからそんなことめったにないと思うけど。だからアンタにでもできる事をやらせてあげるわ。掃除、選択その他もろもろをやりなさい!」
「あぁ分かった。修行していた時もやっていたからできるはずだ」
「あっそ。じゃあ明日からよろしく」
私はそういうなり着替えてすぐに毛布にくるまり眠りについた。いや、つこうとしていたんだけど・・・
「なぁこの星は月が二個あるのか~?それも二つとも満月だし・・・」
少しだけ強い突風が部屋の中で起こったと思ったらついさっきまでいた使い魔と似たような少しだけ低い声が聞こえてきた。
私はびっくりしてそのほうに目を向けると
「あ、ああ・・・アンタ誰なのよ!!」
それまでいた使い魔は姿を消して、代わりに上半身裸の赤い体毛に覆われた背の高い筋肉質の人がいた。
「あれ?ッア!そっか!オメー、オレのこの姿を見せてなかったな。オレだオレ。孫悟空だ!」
あれ?ソンゴクウって・・・・・・
「え?・・・ええぇえええええぇぇえええ―――――!!!??」
もう真夜中だというのに本日二度目の私の絶叫が女子寮全体に木霊したのでした もうやだ。グスン