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No.40981の一覧
[0] 魔と魔を合体させてみた。[yosshy3304](2015/02/18 02:08)
[1] 1、魔と魔の出会い[yosshy3304](2015/02/12 03:42)
[2] 2、魔と魔の認識。[yosshy3304](2015/02/13 03:19)
[3] 3、魔と魔に成る前に(転生チート編)[yosshy3304](2015/02/18 01:58)
[4] 3、魔と魔に成る前に(オスティア王子編)[yosshy3304](2015/02/21 00:47)
[5] 4、魔と魔のお茶会。(転生チート編)[yosshy3304](2015/02/18 01:58)
[6] 5、魔と魔の使い魔。[yosshy3304](2015/02/18 01:59)
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[40981] 1、魔と魔の出会い
Name: yosshy3304◆1ee3b67a ID:e9920c0c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/02/12 03:42
青空の下、公爵の三女と言う地位に居る筈なのに落ちこぼれと名高いルイズは困惑していた。

トリステイン魔法学院の二年に上がる為の進級試験も兼ねた行事。メイジならば当たり前に行使できる簡単な魔法で、でも儀式としての側面が強いから魔法学院に通うのならば、二年に上がるまでは呼んでいない使い魔召喚の魔法。

その魔法すら真面に出来ず、地面に大穴を量産していたルイズは、目の前に立つフードを被った魔法使いの姿に困惑していた。

「いきなり召喚するとはな。礼儀を知らんのか?」
「…うるさいわね、良いから答えなさい。あんたが私の使い魔で良いの?」
「知るか、そんなもん。」
「なっ!?」

話しかけられたその声は若い男の物で、魔法使いの手に握られている年季の入った長い杖からは、威圧感を感じるほど。

だからこそ目の前に立つ魔法使いが、落ちこぼれである自分所か、優秀なメイジと比べても格上だと思えたが、その言葉使いは粗暴であり、だからこそ公爵令嬢として舐められる訳にはいかなかったルイズは高圧的に相対する。

後ろでクラスメイトや、頭皮が眩いばかりに輝いている教師の驚愕している様な視線を無視して、ルイズは更に話しかける。

召喚された使い魔は、主人が御してこそ、主人の各も問われると言うもの。ならばこそ、尚更言う事を聞かせられなければいけない。

「私は、由緒あるトリステインの公爵令嬢なのよっ!!」

だからこそ、人であるのならば、基本的に傅くのが当たり前の、ルイズの家の爵位を宣言するように叫んだ。

「アホか、俺は最古の魔法王国と言われるオスティアの王子だぞ。なんで格下に従わなければならないんだ?」
「なんですっ……あんた、今なんて言った………」
「そこまでですっ!!」

だけど、それを告げても目の前の男だろう魔法使いは傅く気配も無い。それどころか言い返してきて、咄嗟に激怒しかけたが、男の言葉にとんでもない単語が混ざっていたように聞こえた。

問い返そうとして、後ろから様子を見守っていた教師が割り込んでくる。クラスメイトもザワザワと五月蠅い。

「何でですかっ、ミスタ・コルベールっ!!」
「落ち着きなさい、ミス・ヴァリエール。」

進級が掛かっている事で焦っていたようで、教師に窘められ、そこで深呼吸をして考えを纏め直す。

「あれ?」
「失礼ですが、先程仰っていた事は間違いありませんか?」

ミスタ・コルベールが何か呼び出した使い魔と話しているが、考えが纏まるにつれ、だんだんと恐怖心が湧き出て来た。

さっきなんて言っていた?最古の魔法王国の王子って言わなかった?最古の魔法王国オスティアって何?何処にあるの?

ルイズの思考は混乱し、役も無い事をグルグルと考えてしまう。間違い、間違いよねと始祖ブリミルに祈る様に願う。

「おいおい、大丈夫かヴァリエールの奴、異国の王族なんか呼び出して…」
「何かの間違いじゃないのかしら。ほら、本当は平民だとか…」
「じゃぁ、あの杖の説明できるか?年代物だし、下手すりゃ何億とするんじゃないか?」

ザワザワとざわつくクラスメイトの言葉で、それが間違いないのだと判って、真っ青な顔で俯いてしまった。

「ミス・ヴァリエール、今から学院長室に行きますよっ!!学院長の指示を仰がなければ…」
「……はい。」
「大丈夫、こいつ…」

ああ、終わった。そうルイズは確信する。唯の平民ならば、ここでコントラクトサーヴァントをして終わっていただろう。

教師も慌てるほどで、この学院の最高責任者が出て来る事態までなった。

もし他国から責められる要因となってしまったのならば、この身を差し出してでも許しを請わなければならない。

貴族としての教育は確りと叩き込まれているルイズとしては、他国の王子を誘拐擬き、事故の分類だが、それでも下手をすれば打ち首や死罪である。

ましてや実家にまで迷惑をかけたとなると、唯でさえ魔法が使えないと言う事で居場所が無いと感じていると言うのに。

「ほら、行くぞ。」
「へっ、うわっ、うわっ!!」
「大人しくしろよ。俺も状況が知りたいんだから…あんたもだ。構わないからさっさと案内してくれ。」

気付いたらルイズは、肩と膝の下に手を入れられ、所謂お姫様抱っこで抱き上げられていた。

驚き、ジタバタと暴れてしまったが、それでも静止の声に首に手を回し安定を図る。

それでいいと頷いた魔法使いは、こちらを気にする教師に構わないと言いつつ、ガックリと肩を落とした。

フードから見えた真っ赤に燃えるような髪に、左右の色が違う瞳。声もまだ若いが、芯のあるいい声をしている。顔立ちも、少年ぽさを残しつつも、整っている顔立ちで、ルイズは顔が赤くなるのが分かった。

フワリとした浮遊感。先行する教師が、集まっていた生徒に解散を言い渡し、生徒達も四の五の寮へと帰って行くが、ルイズと魔法使いだけは校舎の方へと向かっていくのだった。










「ふーん、ここはヨーロッパに上書きされた旧魔法世界の一つなんだな。」
「いやいや、ハギ殿下の持つマジックアイテムは凄いですなぁ…」

宙に映し出された映像。ハギ・スプリングフィールドが取り出したパソコンでマホネットで検索した結果を告げた、学院長オールド・オスマンの感想である。

呼び出された、自分を魔法王国オスティアの王子だと名乗る魔法使いと対面し、真偽を確かめようとしたのだが、互いに名乗り、この場所が何と言うのか、宗教の名前とかを聞かれた後、ハギはハギが取り出した正方形の箱の様なものでポチポチと操作をし始める。

最初は警戒していたものの、宙に映し出された色取り取りの映像と、読めないまでもそれが文字だと判る物で、警戒を薄めた。

「最初の魔法使いの13人の弟子の内、12人目の弟子であるブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリが作り上げた異界空間かぁ。」

そしてその言葉を聞いた瞬間、何も含んでいなかった筈なのに、ブーッ!?と噴出してしまった。

始祖ブリミルのフルネームなんか教えてないのに、それを軽々と口に出したからだ。

よくよく聞けば、どうもこのマジックアイテムは、読みたい本を検索までしてくれる図書館の様なもので、それで調べたら載っていたとの事。

「そ、その最初の魔法使いというのは…」
「うちの御先祖様だな。」

今まで判らなかった、始祖ブリミルがハルケギニア、正確にはロマリアに来るまでの詳細な道程や、その生まれなどが明らかにされていっている。

それどころか、とんでもない単語も飛び出していた。

頭を抱えそうになるも、向かい側で今にも倒れそうな女生徒を見て持ち直す。

教えていないフルネームをすらすらと述べられたぐらいでは、とてもじゃないが信用出来ない情報もあるからだ。

だけどオスマン学院長はその経験から、目の前のハギと名乗った青年がウソを吐いているとは思えなかった。

実際、目の前にある高価だと一目で判るマジックアイテムを所持していたり、年代物だと判る杖を所持していたり、貴族でもここまで肌が綺麗なのは女子生徒でも居らんと言えるほど、一目で判る容姿。

水を大量に使わなければ、この肌を維持するのは難しいだろうし、そんな事が出来るのは高位の貴族か、それこそ王族だけだ。

溢れんばかりの、身に纏う魔力もまた、只者ではないと言っている。

「それで、殿下は如何なさいますか?」
「うん?取り敢えず、送還魔法で帰してくれたら構わんよ。」

無駄じゃろうなと思いつつ、如何にか穏便に事を済まそうとして、それでも口から出たのは直接すぎる言葉。

だけど、まったく責任を問わないと言わんばかりの返答に、ホッと一息吐くオスマン。だけどその意味を理解するにつれ、顔色が悪くなっていく。

「送還魔法?」
「ああ、送還魔法。普通召喚魔法と送還魔法はセットである物だからな。」
「…………ありませぬ。」
「はい?」
「…送還魔法、…は、……ありませぬ。」

何とか絞り出した言葉に、目の前の人物の顔色を窺う。もしこれで激怒されたら、もし万が一、いや億が一、止めようとした瞬間を、目の前にあるような自分が知らないマジックアイテムで知らされたら。

少なくとも戦争が起きてしまう。

オスマンは自分も気絶したいと、ついには意識を失ったルイズを見て、審判の時を待った。


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