その FOR THE BRAND-NEW DREAM
シオリ姫を救い、魔王を倒したコウ達は、世界を救った英雄としてもてはやされたが、1年もたった頃には、最初の騒ぎも一段落し、それなりの生活に戻っていた。
人々も、すっかり元の生活に戻り、それぞれ平和を謳歌していた。
ミオ・キサラギ 大神殿に戻り、大神官シナモン・マクシスの元で再び勉学に励む。書庫の管理人であるスペルフィールド・エイト子爵との仲を噂されるも、本人は否定も肯定もせず。
ユイナ・ヒモオ
アヤコ・カタギリ
サキ・ニジノ
ノゾミ・キヨカワ
ユカリ・コシキ
ユウコ・アサヒナ
ミラ・カガミ
メグミ・ソーンバウム・フェルド
ユミ・サオトメ
ミハル・タテバヤシ
レイ・イジュウイン
プリンセス・シオリ・フォン・キラメキ
コウ・ヌシヒト |
−以上、ヨシオメモより。
♪元気でね 頑張ってね
手紙書くね たまに逢えるよね
なんでかな さみしいのに
さみしいよと 言えなかった
「アヤコさんの声だぁ」
ミハルが両手をあわせて、うっとりと呟いた。
「もうみんな集まってるみたいね」
シオリは頷くと、丘の上を見上げた。
その横顔を見て、メグミは息を飲んだ。
(シオリちゃん……?)
それは、今までメグミが見たことがない、厳しい表情だった。
「……どうしたの?」
シオリは、その視線に気づいたのか、メグミの方に向きなおった。そのときにはもういつものシオリの表情に戻っていた。
メグミは首を振って、微笑んだ。
「シオリちゃん、行きましょう」
「……ええ」
二人は、先に丘を登っていったミハルとノゾミを追うように駆けだした。
「私からのお願い。もう、無理はしないで。自分の心に嘘をついてる、そんなコウくんと一緒にいても、私はちっとも嬉しくないんだから」
大きく伸びをして、ベッドから出ると、廊下を通り抜けて、玄関にでる。
「ふわぁ〜」
大きく伸びをして、コウはふと、足元に何かがあるのに気付いた。拾い上げてみる。
「手紙?」
白い封筒には表に「コウ・ヌシヒトさまへ」とあるだけで、あとは何も書いていない。
彼はその封筒を開けて見た。中には、白い紙が一枚入っているだけだった。
その紙を広げると、一文が書いてあった。
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そして……。
farewell Tokimeki-Fantasy